もはや説明不要の25年ぶりの新曲。アルバム未収録の3曲は,2が別テイクで冒頭のカウントはオリジナルに採用されたもの。3が途中で終わる未完奏テイク,4がファン・クラブ用に毎年録音され,配布されていたクリスマス・レコードの67年ヴァージョン。
1. Free as a Bird (フリー・アズ・ア・バード)
2. I Saw Her Standing There (アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア(テイク9) )
3. This Boy (こいつ~ディス・ボーイ(テイク12&13) )
4. Christmas Time Is Here Again (クリスマス・タイム )
フリー・アズ・ア・バード (Free as a Bird) は、イギリスのロックバンド、ビートルズの曲。ジョン・レノンの未完成曲を残りの3人のメンバーが完成させた。プロデューサーはビートルズの殆どの楽曲を手がけていたジョージ・マーティンではなく、ジョージ・ハリスンと仲が良かったジェフ・リンが担当した。
「レット・イット・ビー」以来25年ぶりのシングルである。『ザ・ビートルズ・アンソロジー1』のオープニングナンバーでもある。イギリスでは初登場で2位。
レコーディングとエピソード
ジョンが1977年頃レコーディングしていた未発表曲のデモテープを、ジョンの妻ヨーコ・オノが、1994年ごろに直接ポール・マッカートニーに渡し、他のメンバーも含めてレコーディングを行い、実質上ビートルズのメンバー4人全員で完成させた曲。
ポール曰く、いちいち感傷的になる気持ちを抑える為に、「自分のパートを早々と済ませたジョンが、あとはやっといてくれ、と休暇に出かけてしまった」という風に考えるようにしていた。
最初の音はリンゴ・スターによるスネア・ドラム(2発)でその後、ジョージのギターとなる。 ジョージはトレードマークのスライドギターを曲中で演奏している。 このスライドギターのアレンジについて、ポールは当初難色を示していたようだが、最後には「素晴らしい」と評価している。 ジョンが完成させていなかったサビ部分の歌詞と後半部の間奏は、新たにジョージとポールとで書き下ろした(もともと、この曲が選ばれた理由は「また『ジョンと一緒に』曲を作れるから」だった)。
この曲の制作途中に3人は感傷的になったりしたが、だんだんとジョンをダシにして笑うことも出来るようになってきた。 「いつもジョンが調子を外す」などと言って笑いあった。リンゴは「まるでビートルズじゃないか」と言ったそうである。
ちなみにこの曲の最後には、ジョージが当時凝っていたというウクレレの音に紛れて、ジョンの “Made by John Lennon” と聞こえるセリフがあるが、これはジョンがビートルズ時代にたまたま言った「よくやったね」と言う言葉を逆回転させたものである。また、オリジナルテープには、ジョンのピアノの音が含まれており、それを消すためにかなりの時間を費やしたとのこと。