リリー・フランキー著書「ビートルズへの旅」


 リリー・フランキーが初めて手にしたビートルズのレコードは、母が買ってきてくれた『Live at the Hollywood Bowl [Analog]
』というライブ盤。それから30年以上経った昨年、リヴァプールとロンドンを訪れ、そこでの緊張と感動を文章にしています。かつて抱いたビートルズへの憧れは、増え続ける人生への失望感によって薄まり、「ビートルズに夢中になっていた頃の自分」と「何かに夢中になることを失いつつある今の自分」とのギャップに、思わずため息をつく—-もはや憧れだけでビートルズを語れないことを正直に綴っています。
 本書を飾る「ビートルズの風景」、撮影はフォトグラファーの福岡耕造。世界中の「ビートルズ・スポット」(有名な場所のみならず、ジョンと父親が遊んだ海岸から、4人が出演した映画のロケ地などに至るまで!)を撮影し続けてきたが、それらの写真を一切出し惜しみせず掲載。60年代当時の雰囲気を感じさせる、不思議なタイム・トリップ感覚を引き起こす写真ばかりです。 
 解散から40年近く、世代を超えて今でも人々を熱狂させるビートルズ。そしてその4人が生んだ奇蹟に魅せられた二人が、それぞれ文章と写真で精一杯恩返しをしようと、精魂込めて創りあげたのが、本書『ビートルズへの旅』です。