とても感動的でありながら、少しも感傷的ではない『ジョージ・ハリスン・トリビュート・コンサート』は、故ジョージ・ハリスンに捧げる素晴らしいトリビュート作品だ。ビートルズへ多大な貢献をしながら、長い間、ジョン・レノンやポール・マッカートニーの陰に隠れていたハリソン。2001年11月29日に亡くなってから1年後、エリック・クラプトンがハリソンをよく知るミュージシャンを集めた。その中には、もちろんマッカートニーやリンゴ・スター、トム・ペティが含まれる。そして、そのミュージシャンたちがロンドンのロイヤル・アルバート・ホールでハリソンの曲を演奏したのがこの作品だ。
ビリー・ブレストンが歌い上げた「マイ・スウィート・ロード」やポール・マッカートニー卿が美しく奏でた「サムシング」など、演奏を予想された曲ばかりではなく、「オールド・ブラウン・シュー」や「ビウェア・オブ・ダークネス」のように、あまりメジャーではない作品も選択された。そのすべてが呼応して、引き込まれるひとつの世界を作り出している。最も涙を誘うものは、「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」だろう。オリジナルのレコーディングに参加した5人のうち、3人のミュージシャンがこの曲を演奏した。リンゴのドラム、自らのソロを丁寧に再現したクラプトン、そしてピアノを担当しながら、クラプトンのリード・ボーカルにハーモニーを重ねたマッカートニー。ジョージがこの場所にいたらいいのに、と願わずにいられない。それにしても、なんと素晴らしい追悼の方法だろうか。
2001年に他界したジョージ・ハリスンを称え、一周忌にロンドンのアルバート・ホールで開催されたスペシャルトリビュートライブの模様を完全収録した2枚組。ディスク1にはインタビュードキュメンタリー、ディスク2には約3時間のフルライブを収録する。
I want to tell you, If I needed someone, Old brown shoe
ダニー・ハリスン、若い頃のジョージに生き写しなんですよね(涙)