作詞・作曲 ジョン・レノン&ポール・マッカートニー
リード・ヴォーカル ジョン・レノン
ジョンの作品。彼は「レコーディングはあまりうまくいかなかったが、それを差し引いても素晴らしい曲だ。特に詩がいい。メロディーがなくても詩だけで立派に通用する。」と語っている。
言葉は紙コップに際限もなく注ぐ雨のように飛び出し
滑るように動いて いつしか通り過ぎ
この世をくまなくめぐる
悲哀の海 歓喜の波は
僕の開かれた心を漂いながら
僕を虜にし 愛撫する
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「アクロス・ザ・ユニバース」はレノン=マッカートニー作品であり、実質的にはジョン・レノンの作とされる。ジョンの楽曲の中でも特に歌詞が印象的な作品で、”words are flowing out like endless rain into a paper cup” という一節が浮かんだ後、しばらく考えた末に一気に書き上げた、とジョン自身は語っている。繰り返し歌われるマントラ、”Jai Guru Deva Om…” は「我らが導師、神に勝利あれ」(神に感謝を)の意である。詩作には松尾芭蕉の影響が指摘されることもあり、1968年にインドで受けたマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーの講義から着想を得たとされることもある。
ジョン・レノンは「本当に良い歌は、メロディーがなくても歌詞だけでその価値を見出せる歌であり、それに該当する曲こそが、アクロス・ザ・ユニバースである。」と言っている。
NASAが設立50周年を迎えることを記念して、2008年2月4日米東部時間午後7時(日本時間5日午前9時)に北極星へ向けてこの曲が発信された。この日は楽曲のレコーディングから40周年ということもあり、ポールは「NASAよくやった!異星人によろしく」と粋なメッセージをNASAに寄せた。また、オノ・ヨーコは「何十億もの惑星と交信する新しい時代の始まりを感じる」と伝えたという。
曲は1967~68年の初めごろに完成された。17枚目のシングル「レディ・マドンナ」のレコーディング・セッションで録音されたものの、しばらく発表されず、その後1969年にWWF(世界自然保護基金)のチャリティ・アルバム『ノー・ワンズ・ゴナ・チェンジ・アワ・ワールド』(アルバム・タイトルは本作の歌詞 “Nothing gonna change my world.” からとられている。)に収録され陽の目を見ることとなった。このアルバムに収録されたヴァージョンは元の音源のテープから回転数を上げ、イントロ前・エンディングには鳥のさえずりと羽ばたく音、サビの部分には(レコーディング・スタジオ前に居合わせたビートルズ・ファンによる)女声コーラスがオーヴァー・ダブされている。このヴァージョンは通称「バード・ヴァージョン」と呼ばれている。
1970年、アルバム『レット・イット・ビー』収録にあたりプロデューサーのフィル・スペクターによって、元の音源のテープの回転数をやや落とし、女性コーラスやオーケストラをオーヴァー・ダビングするなどの再アレンジが行われた。当時ジョンは本作でのフィルの仕事を高く評価しており、ビートルズ解散後のソロ作品で彼を起用するきっかけとなっている。「バード・ヴァージョン」がチャリティ・アルバムだけの収録であったため、オリジナル・アルバム収録のこちらのヴァージョンの方が先により一般的に知られるようになっていた。
上記2種以外にもアコースティック・ギターとシタールのみの初期ヴァージョンがCD『アンソロジー2』に、『レット・イット・ビー』の音源からフィルのオーヴァー・ダビングをカットしたヴァージョンがCD『レット・イット・ビー…ネイキッド』に収録されている。
1. Two of Us(トゥ・オブ・アス )
2. Dig a Pony(ディグ・ア・ポニー )
3. Across the Universe(アクロス・ザ・ユニバース )
4. I Me Mine(アイ・ミー・マイン)
5. Dig It(ディグ・イット)
6. Let It Be(レット・イット・ビー)
7. Maggie Mae(マギー・メイ )
8. I’ve Got a Feeling(アイヴ・ガッタ・フィーリング )
9. One After 909(ワン・アフター・909 )
10. The Long and Winding Road(ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード )
11. For You Blue(フォー・ユー・ブルー )
12. Get Back(ゲット・バック)